地方自治学会メモ(中村祐司) 2000年11月11日 明治大学駿河台校舎


記念講演 「私と地方自治」

石田頼房(東京都立大学都市研究所、客員研究教授)

都市農村計画学が専門

学部では建築学学ぶ

特に土地利用計画が専門。市街化区域や市街化調整区域の区別についてなど。

都市計画は研究室の机の上で理論が組み立てられるわけではない。

4つの経験・事例について紹介したい。

東京問題調査会委員

  美濃部都政の時代。当時の知事も時々参加。68年9月に参加。

  住宅政策、多摩ニュータウン、都市再開発についてなど。72年に役割終える。

  保守都政に激化した上記問題等について審議

  原案を事務局が作ったわけではない。

  多摩ニュータウン:1haあたりの計画人口などの点で、助言の原案に納得できず。  しかし、この助言が与えたインパクトは委員会の提言の中で最も大きかったのではないか。

  都市再開発にも従事

 「課題として、助言がどのように首長が受け入れ実施するかが大切。そうでなければ限界あり。本当に革新的な都市計画とはどういうのものかの検討が不十分。学識経験者の間での相互理解と相互協力に課題あり」  

立川市南口都市改造計画調査委員会

都の都市計画審議会への根回しなど、行政の実務の仕事をやっているようだった。

まるで「私と地方政治」だった。

66年に事業認可。

反対、賛成意見あり。当時阿部市長。

白紙撤回は住民に約束しないよう市長を説得。結局、両派の代表で委員会を構成するといった妥協案を生み出す。→PERT(計画の図表化、スケジュール化)を組む。→

72年に新委員会設置。事業計画の変更難しかった。例えば、区域除外など。市役所の区画整理担当課が抵抗。東京都、建設省を相手に説得。建設省が理解。以後、変更に動きだす。一種の「ロビー活動」を行う。「どろどろした体験」共産党市議団の報告書あり。だが、これに関して、学術的なものなし。

神奈川県総合計画審議会委員として19年間

長洲知事の後半期は共産党を除くオール与党

国土総合開発法に関連(58年)にもとづく。

神奈川自治体問題研究所との連携?

この審議会は常に存在。しかもかなりが再任。

自治体の総合計画についてしっかり勉強できた。基本計画、総合計画が行政の中での位置付けや表現の語尾の重要性を認識。

自治体の基本構想は20年、基本計画は10年が一般的。実施計画は3年。

神奈川の場合、上記すべてについて答申した。したがって、審議会に休みはなかった。これがこの県の特徴の一つ。もう一つは審議会が計画の実施状況を監視した(アセスメント部会)。

計画と実態行政とがどのようにつながっているのかを勉強。

問題点は、80年代の神奈川県の姿勢が民活拡大路線に。第2次計画のサブタイトルは神奈川「くにづくり」。必要性が不明確なビックプロジェクトあり。首都圏中央連絡道など。県や国の政策に追随。「新神奈川計画が初心から離れている。」後半は審議会で批判勢力として存在。「引退したのか落第したのか分からない」

 

鎌倉市総合計画審議会委員

正木知事?「市長になってから雨が降ると目が覚める。鎌倉には崖崩れが多いから」

76年から79年に委員として務める。

当時、都市計画市民懇話会というものもあった。

全市的、長期的な市民運動の伝統を鎌倉市に感じた。

「鎌倉らしさの調査」にも従事。

まとまった基本構想に対して、市民運動の側から理念が明確でなく行政的だという批判。市長「それでは皆さんで案をつくってみてください。」(嫌味ではなく)→市民が動き出す。

25年前の鎌倉の経験から、これからは各市町村のモデルになると思う。最近では「鎌倉だからできた」と思っていたが。

ITによりまちづくりの重要性(掲示板など)

フィンランドでplanning culture「計画文化」という言葉に接する。住民との協働の要素がこの概念には含まれる。日本の動きもこれへの転換として捉えられるのではないか。

年金生活者になって2年目。一住民としての「私と地方自治」をより考えるようになった。


テーマ:「分権改革と市町村合併・広域行政」

コーディネーター

辻山幸信(中央大学法学部)

997月の自治省事務次官通達

市町村合併と介護保険との絡み

そもそも分権改革と個別分野の課題がリンケージしているのか。

行政サービスの供給コストをいかに下げるが、住民の合意形成(サービス提供の有効性)を高めることにはならないという見方あり。

第2次分権改革(広域性)の展望、方向性

 

水口憲人(立命館大学政策科学部)

図1のUからWへの移行がなされるのではないかということがポイント

西尾の『未完の分権改革』興味深い

 9割以上が関与の仕方をめぐる戦略

 分離・分権型のモデルは推進委員会が意図していなかった。

なぜ、これだけ分権が騒がれだしたのか。また、どのような分権が議論になったのか。

これまでの地方自治理論の分析の概念が切り口として使えるのかどうか。

松下:官治・集権、自治・分権、@封建型集権化?(近代化集権化終焉説)の終焉A都市型社会になったから分権化が生み出される(都市化の論理)B国際化と冷戦の終結

分権委:@近代化終焉説、戦後改革の積み残しとしての分権改革、A環境変化に集権には対応できない

いくつかの疑問:例えば、英国ではサッチャー政権は集権化を選択した。近代化、国際化、がそのまま分権化政策を引き出すとは限らない。日本の地方自治の課題をつぶさに見る必要。また、本当に戦後の日本の地方自治の現状記述は集権だったのか。戦後日本の地方自治は意外と分権的だったのだが。

北原の本:都市計画では民間が結構自由にやっていた。今回の分権改革でも都市計画では追認としての地方分権だ。(以前でも分権的に進められてきた。)

集権・分権はゼロサムゲーム的に捉えすぎたのではないか。

岩崎の本:裁量や影響力の行使の組み合わせに注目。

そもそも地方自治とは:ミル→3割自治論との関係で(水口は)、国民国家の一部として地方自治をミルは捉えていた。3割自治が悪かったとしたら何割自治ならいいのか。→国民国家の部分自治として地方自治。地域のことは地域で決定という意味での3割自治論的な考えがミルの考えたところ。

例:関西国際空港、ローカルマターとナショナルマターの調整。純ローカルマターで語れるとことはない。(水道等とも)

単純な分離・分権モデルでは切れない。国を動かすマターとしての地方自治。

レアケーキ(分離分権型)マーブルケーキ(地方、中央入り混じっている。統合型、融合型)

 

今回の分権をどう考えればよいのか。→

戦後の地方自治をどう捉えるのか→戦後の地方自治は行政統制型のマーブルケーキ(分権委)

今回の分権は権限委譲はない。→地方では今さら仕事がほしいというほど仕事が少なくない。現状で自治体の仕事量が多い。だから権限よこせという声地方になかった。(分権委)

今回の分権は関与の仕方をかえる分権。

分権委→@通達行政A必置規制B補助金行政

    =行政統制の仕方を変えようとした。→立法統制型へ変えた(法定受託事務等)

水口:行政統制型のマーブルケーキが機能不全、機能障害、逆機能になった。

日本の戦後の地方自治論→シャウプ勧告失敗したのは、そもそも分離分権型の土壌日本にはなかった。現実に根付く余地がなかった。機能分担論に注目。したがって、昨日W型(立法統制型のマーブルケーキ)

あまり変わらないのでは(政治家が興味ももっていない。市町村合併等を除いて)。中長期的に変化が起こる場合の問題→自治体間格差は個性差?今までは「等しからざるを憂える」。自治体間競争へ。いいたいのは、競争の中で尊厳ある個性差?競争できない自治体はどうなるのか。

図2:人口規模が小さくなるほど分権に自信が持てない。自己決定ができる基礎体力をどうやって作るのか→分離・分権型では中央の責任回避の可能性につながる。

府県そのものが今後どうなっていくか→都市部の強いところでは府県の必要性が出てこない→図3.

ローカルオプティマムとナショナルサポート。福祉=集権であった時代ではもはやない→介護保険。地域の最適解を見つけるために中央がどんなサポートができるかという課題が今後出てくる。

地方の単独事業:中央の都合で自治が強調。中央の自己抑制こそが必要。

 

司会:党の決定では1000の自治体にすることが決まっている。

 

 

「地方分権改革の構図と評価―地方制度再編を中心に―」

寄本勝美(早稲田大学政経学部)「廃棄物行政と地方自治体」

昭和42年から勉強。自治体に留学したかった。川崎市へ。→清掃職員へ。当時の川崎は清掃行政でも全国トップ。まだ革新自治体ではなかったが。

先進性をかかえていたことがかえってマイナスの方向に影響。

沼津方式:資源ごみという言葉が始めて登場。清掃差別問題にも取り組む。→全国のリサイクル活動の展開へ。

 循環型社会の形成の課題→民間サイド、国と協力。

 ある家庭でのこころみ→市民、事業者、行政の協力がよりいっそうの減量効果には必要→廃棄物(家庭ごみ)の責任主体はそれの発生者(企業)、排出者(市民)。どこに第一義的責任者か。自治体の責任は、事業者、市民が定める。

 ごみの有料制はいけないのか。税で負担するのか料金か。

 Expended Producer Recycle?

国も最近積極的に

環境については国やるべきことをやらなかった。

汚物掃浄法、清掃法

廃棄物の処理とリサイクル推進

5つの法→図@

上記法は自治体に強制しているものではない。押し付けてはいない。それだけに自治体の役割は選択の可能性があり、それに対応する能力と姿勢が問われるようになる。→国との協力。

 

国の役割はますます増えてくるのは明らか。」乾電池の回収率は10%程度。デポジット制にすべき。しかし、一つの自治体ではできない。どうしてもナショナルレベルの方策必要。

国が作るということは官僚、官庁が作るということは意味しない。市民が国レベルの政策をつくっていく。国の政策=官庁の責任という考えを変えなければならない。

not in my backyard (全部自分の地域、自治体の中で処理する)

住民参加をいきなりつくりだすのでなく、参加方式をつくること自体に市民参加をする。

二重の住民参加が必要。どれだけ住民参加にチャレンジしたかが問われる。

 

事業系のゴミ処理:自治体はもっと料金をもらうべき低コストは良いように見えるが間違い。民間の処理業者が大打撃。魚のアラが民間事業者ではなくて自治体に出されてします。

 

与野のゴミ収集は有料、料金化→町がきれいになって市民喜ぶ。合併で無料化。市民は残念がる。費用の二重取り(税金、料金)という批判に対しては市民に返せばいいではないか。

市民が前向きの発想に転換し始めているようだが。政治、行政が遅れている分野多い。

 

セブンイレブンは自治体の区域を越えた存在。自治体ごとにゴミ処理方式が違うと困る。→自治体間の協力が遅れている。

 

名古屋が立ち遅れたのは中小都市から学ぶ姿勢がなかったから。

 

ダイオキシン:一定の規模の焼却場必要。いくつかの自治体が広域的な協力体制作る必要あり。

政府間関係といっても自治体間の共同認識必要。また、自治体は技術力高めなければいけない。そのためには人づくりが必要。最近、その意味での人が自治体には少なくなってきた。

 

 シアトルには市に焼却場なし。これに奨励的補助金なし。自前でやるかゴミ減量か。市民は後者選ぶ。60%のリサイクル目標に45%ほど達成。日本では10数パーセント。危機を新しい可能性の挑戦していくための仕組みと捉える。

 

 

中西啓之(都留文科大学)

「介護保険制度施行と地方自治体」

中西の基本的姿勢

狭義の分権改革と広義

イギリスではディストリクトの合併やってきたが、パリッシュが機能しているので両者の関係考える必要あり。日本の2度にわたる大合併は上からの近代化と関連性が高いのでは。

過去2回のような大合併には至らないのでは。部分的な合併にとどまるのではないか。

今回の合併は追い付き型近代化の延長線上にある。

 

広域連合は96年4月に大分県ででき、それ以後急速に増える。

200095日現在、27道府県において67広域連合が発足、そのうち60の広域連合が介護保険に関する事務を広域連合で行っている。

一番多いタイプは、介護認定審査会の設置・運営に加えて、保険料の賦課徴収、要介護の認定・更新、保険給付、事業計画の策定などすべて広域連合で行うとしているところ

 

広域連合設置の要因として、中央省庁、県側からの働きと全国町村会の要望

 

介護保険制度が発足する過程で市町村は反対。国保料の徴収困難の二の舞になるという恐れから反対。要介護認定を保険者として行うことの不安、認定審査会、財政不足など。

広域化でやると広域連合やれば責任負担が軽減される。

実施機能と計画機能とがどのようにドッキングできるのか。

上乗せ、横だしのサービスをどう位置付けるか。

広域連合の制度化を立法化した時点では広域化再編の一環という国のねらいがあたったが、現実には広域連合が合併の歯止めになっている。

県の特性が強く出ている。県の役割とは何かが問われている。

 

 

岩崎

今回の柱の捉え方→

機関委任事務の廃止

関与の仕組み変更

国地方紛争処理機関の設置

 

分権化の理解→

パワーベースからルールベース

相互浸透から相互依存

権限委譲から権限移譲

「量」の分権から「質」の分権

 

積み残した課題→

財政移転

自治体の能力

地方制度再編

 

分権化の推進力→

民主化がキーワード(発展途上国も含めたいので)

政治参加の機会を増やすという意味で近代化の終焉、民主化、グローバリゼーション。

文化的アイデンティティー、行財政改革

 

地方にもローカルとリージョンがありいっしょくたにできない。

日本は量としては分権国家(7割が地方自治体がやっている)

7割の仕事のやり方を変えるということ。

 

広域行政に関して→

合併は全国一律に基準をやることは不可能だし無意味

アーバン→合併して地域の核をつくる。

ルーラル→ 山村地域→補完一層制

メトロポリタン→一層化すべき。大規模になりすぎるの問題

要するに地域的属性に関連させて広域行政考えなければならない。

 

自治体完結主義やめよう。

府県レベルでの枠組みの広域連合?を当初考えていた。

外部重層化内部重層化あり。

Small is beautiful かスケールメリットか

高齢化社会、少子化社会での地方自治体をかんがえると小学校区が中学校区が自治体の規模としては最適。ところがそこでリソース集めるのは困難だから、山間部を除き内部重曹方式がいいのでは。全体の傘として合併自治体?がいい。広域連合では第3の自治体つくるおそれもあり。

 

富野:今までの議論は「地方行政学会」

分権化:自治的動機(日本の地方行政は制度と実態の乖離大きい実際法律で動いているのは1割。9割はそれをかいくぐってやっている。要するに要綱行政日本はいわれているほどの中央集権ないのでは。加えて豊かな社会になった。自治体は力をたくわえてきた。今回、資本の論理で分権がいわれた。分権と規制緩和が一体。日本では資本と政党がつながるとたちまち制度が変わる。世界構造のパラダイム国家。主権国家から機能国家へ。企業資本、市民NGOも登場。地方の役割も直接世界、資本、NGOにつながる。

 行政システムの分権だけではない視点必要。行政と住民との関与の度合い変える必要あり。社会システム分権必要。日本の社会構造の問題。これをどうするのかという問題。農村と都市の二重構造がどうなるべきかという論点必要。→地域政策をどうやってつくるか。地域産業モデル含めた多様の提示必要。

 行政区域内分権などかなりできる。選択肢もっているのにこれを地方は使い切れていない。

「選択的自治」の概念を真剣に考えていく必要あり。

 市民がどう関わっていくか。関与どうするか→直接民主主義どのように広げ概念を再定義していくか。公共分離?をどう考えるか。行政の負荷拡大の問題(多様な要求受け入れたため)。

豊かな社会になって依存と同時に自己決定の芽もでる。要求批判型無責任住民。行政の水ぶくれ。

公(縦軸)共(横軸)分離。この前者を行政は切り離すべき?ただし、枠組みづくりは行政が行うべき。役所の半分か3分の一は切り離せる。

 直接民主主義:行政的直接民主主義。地方議会機能していないのは構造的欠陥あり。それは選挙制度に問題あり。いかに地域社会の階層、性別を反映できるような議会構造論必要。

 行政だけがいくら分権しても地域社会が変わらなければダメ。分権と民主主義は関係ない

豊かさの追求。豊かさが分権、民主主義作り出す。」

 行政、自治は柔軟なもの。」

 

水口:なぜ分権化について→日本では地方自治の現状記述ができていない。分権委はヒストリカルで国際比較の視点色濃過ぎる。官治集権では富野さんのような市長が出てくるはずがない。

 

会場からの質問:財政の問題どうなのか?受益と負担の一致。小規模過疎自治体を改善するには合併しかないのではないか。このあたり自治体のエゴで動かない。どうしたらいいのだろうか→

水口:仕事量変化しないのでお金変える必要ないという論理で読めないことはない。

会場:自主財源主義と一般財源主義。町村は後者を望む傾向。交付税制度そのものの根本的な課題。財政分権手をつけられなかったのは大蔵省の抵抗が大きかったということ。

中西:過疎脱却には産業政策が最も重要。例:観光振興の政策。若者流出で集落維持が必要。山村をそのまま都市住民に見てもらう。集落計画をつくる(例:かやぶきの里)。これは革命的な考えの転換。人口3000人の町役場の課長の哲学に敬服。広報誌も文化のかおりが高いもの。

市町村合併やると元も子もなくなってしまう。

 

寄本:県の補完行政について。燃料化に市町村が反対。ゴミは県の企業局。ゴミが減ると市町村の担当職員の人減らしにつながる。

質問:循環型→地域化の方向性と広域化の方向性。各政策分野で考えていく必要。

寄本:reuseの工夫。廃棄物問題では民間との関連が重要。民間レベルの活動はひいては国際レベルにまで及ぶ。

会場:町村合併の4つの類型について→集落ごと移動するぐらい思い切ったことした方がいい?

市町村が逃げてしまっている。(保険料の賦課徴収など)。

会場:教育行政に関して、完全な自治を形成するように行う教育が弱いのでは。自治を形成していく教育をどうするのかという点の追及していかなければならないのでは。

中西:広域連合方式について、なぜ単独の市町村でできないのか疑問。

寄本:産業廃棄物が分権との関連で最も注目。

水口:松下氏は立派な啓蒙家。しかし学問的ずれあり。

 

司会:地方公共団体を考察の対象としながら自治を語ることに無警戒すぎた。総合的な地方制度改革の着手の動きあり。啓蒙的な議論からどう脱却してデータを実証的にどう掴んでいくのか。

市民の成熟度についても測定する方法を開発する必要があるのではないか。

要素をつめて有効な制度設計する必要あり。

 


 

2000/11/12

水谷利亮(高知短期大学)

介護保険・高齢者保健福祉政策と中山間地自治体―公的責任の構築とそのあり方をめぐって

中山間地域が厳しい状況に置かれているからこそ、独自の公的責任の在り方が模索されている。

夏のヒアリング調査にもとづく

逆説的取り組み

13%高齢者が介護保険の対策

介護保険と保健福祉政策とはリンク:後者入れると前者の対象者減らすことができる

措置権者は行政機関

措置制度は供給が需要を規定するシステム

公費依存体質などの課題あり。(保健福祉政策には)

介護保険:市町村の責任は調整者としてのもの。基盤整備の責任があいまいなまま

利用者の選択上の問題にすりかえられることになる。

@     要介護、要支援、元気高齢者などに分断

A     サービス供給過程の分断化。要介護認定までが市町村の責任。以後は民間やケアマネージャに。

B     年齢や障害による区分40歳未満はサービスの給付受けられない。ケアマネージャー本位のケアプラン作成になってしまっている。利用者本位になっていない。ニーズ主導アプローチになっていない。ケアマネージャーは膨大な給付管理業務に忙しい。不十分なモリタリング。ケアマネージャーの中立性の維持困難。利用者を選別する可能性。介護概念の縮小化。京都市では介護サービス?すべてが民間に委託。ソーシャルワーカーの代替。ソーシャルワーカー機能の縮小化

 

新しい仕組み必要:

市町村の保険者としての責任:場所と時間と情報の共有施設、サービス資源、お金、人、時間の連携相談窓口の一元化連絡調整会議人事交流組織再編成と統合

在宅介護支援センターにおけるソーシャルワーク機能重視。介護保険の枠を越えたケアプラン作成もここで可能になる。市町村の保健婦が担い手として最適ではないか。競争原理が根底にある介護保険に協働原理を受け付けることが可能になる。

 

中山間地における取り組み:

住民参加でまちづくり→秋田県鷹巣町

理念:住民参加による福祉の町づくり。介護保険を含む高齢者福祉政策を展開

町民の権利・責務と町(介護保険の保険者)の権利・責務

国民の福祉請求権と行政の給付義務とがうまく融合している。ここに措置制度の欠陥をうめる仕組みがみてとれる。政策過程の全ての段階に住民参加

 

長野県泰阜(やすおか)村

「畳の上で死ぬこと」を目指している。行政と社協が一体。28億円の総予算うち1億円を介護保険サービスに使っている。社協:事務方から現場に権限をもってきている。現場の臨機応変な対応を可能とする。

しかし、住民の選択権はなし。住民の意識も低いという課題。

 

長野県小川村

私的保険(ボランタリーな意味合い)、包括医療保険、国保険の3段階。長寿村で有名。高齢化率はほぼ40%。運営:包括医療センターが存在。包括医療協議会が年2回開かれる(住民参加で)。

参木会(保健婦などで週1回)。ケア研究会。

 

 

市民=首長―社会福祉協議会職員」型

「首長=医師―社会福祉協議会職員」型

「保健婦―首長―社会福祉協議会職員」型

理想モデル:最初の型

「介護サービスの行政サービス化」と「福祉市民化」の融合が課題

 

会場:鷹巣町の人口多い。

回答:残存・維持・発展が同時に内包されている。

   診療所の医師が絶大な発言力を持っている。「専門家支配」の拡大可能性

   都市部:民間企業も担うべきだが公的責任問い直す必要あり

   広域連合面白い可能性あるのではないか(刺激しあう契機となる。政治化。回りの市町村を引っ張り上げる効果あるから。)

 

 

兼村高文(明海大学経済学部)

キャッシュフロー・ステイトメントから考える自治体の予算決算

バランスシート:昨年9月時点で100だったが、最近では1000自治体がバランスシートを作るか検討している。都道府県全部。600市。300ぐらいの市町村も。自治体の3分の1が作成した状況。

企業会計的な財務指標の一つがバランスシート。

外国での改革の動きが急。

1010日に国(大蔵省主計局)がバランスシート作った。

1年の作業で主計局は作成。夏休みなし。

建設省97年にバランスシートの調査会

公会計の改革

官庁会計は非近代的な制度だと言われてきた。企業会計をそのまま公会計にもってくることは妥当か?市場の失敗が公共経済

昭和37年に「地方財務会計制度調査会」:複式簿記への転換の必要性述べた。

地方自治法の第9章に財務会計の規程あり。

 

資産の評価が最も重要(時価の判断などは主観的なもの)

上記については企業会計のバランスシートは意味なし。

 

欧米では発生主義会計制度(民間企業のノウハウ導入のこと)、これに加えて外部監査

97年         イギリスでresource accounting bill

 

企業の場合、決算、その結果の株主への配当に注目。しかし、自治体の場合は予算が中心。会計はそのためのもの。予算のための会計という視点が大切。

その際の政府の役割→

類型:一般行政タイプ―純公共財の生産 現金主義会計

   混合タイプ―準公共財の民主的生産 修正現金主義会計(ex.日本)

         準公共財の効率的生産 発生主義会計(ex.USA 公会計の独自性)

   事業タイプ―準公共財の企業的生産 発生主義会計

日本では特別会計が38?あり。

 

予算・決算のための会計改革の視点

 Fund Accountingの検討(資金によって会計が用いられる。)

  「特定の目的を達成するために区分された資産・負債・残余持分等の変動を記録する独自平均勘定をもった財務実体及び会計実体」。要するにキャッシュフローに注目すること。財政資金の流れに注目すること。国民が負担した税金との関連で財政をみる視点。これを検討する要あり。

武蔵野市のバランスシート(貸借対照表):「正味財産」これだけのお金は使えるという意味。

武蔵野市比較行政コスト計算書:

武蔵野市比較資金収支計算書(キャッシュフロー)

 「行政サービスに関する収支」「資産形成に関する収支」「財務活動に関する収支」

  ここから有効な情報が得られる。これが次の予算のベースとして利用できるのではないか。

  これをもっと重視すべき。

資料1はニュージーランドのキャッシュフローステートメント

いかに客観的な会計情報を提供する上では現金主義?のキャッシュフロー最適。

 

会場:九州のうしく?うしき?市がバランスシートの先陣

   決算書が大切では?住民との関連で。

   予算の目的収支均衡。少ないコストでより多くの便益をという視点からいえば、

   何が政策目的とされるべきか。予算統制の方向性として何が言えるのか。

回答:政策立案だけであれば現金主義でいい。